【2021年度 理事長所信】

一般社団法人 下妻青年会議所
第43代 理事長 野村 尚仁

はじめに

2011年1月に私はとあるキッカケで下妻青年会議所の門を叩くこととなった。当時、28歳の私は曽祖父から続く家業の屋根工事業の跡継ぎとして仕事に携わっていたものの、毎日与えられたことをこなしているだけだった。結婚して妻や子供はいたが、正直、自身の日々の行動が幼く家族は勿論、周りの人達に迷惑や厄介をかけてしまっていた。そんな時に、ふと親父である社長が突然消えたらと考えた。自分の中で何かしらの変化をしないことには家族や自社の先はないと気づき始めていた。その時に思い出したのが、過去に話を聞いたことがあったJCだった。活動内容や組織形態等、本当に何も知らなかったが、自分自身なにかの変化を求めていた。

2010年度最終事業の卒業式に誘われ、そこでの各卒業生のスピーチ内容は分からずとも、涙を流しながら話す言葉の一言一言に重みは伝わってきた。変化を求めていた私にとって衝撃しかなく、私の幼い価値観を叩き壊し、その場で決意して入会をした。何も分からない中で周りからフォローされながら、参加していた数ヶ月後、東日本大震災が起き、日常生活も困難な中でこの組織はメンバー各々の企業情報を共有し合い、震災から1ヶ月後には下妻市救援物資を宮城県石巻市に運び入れ、炊き出しまで行った。あの時、私は自社の仕事しか頭になかったが、その他人を思う行動は圧巻で一気にJCの魅力に惹きつけられた。

メンバー全員を巻き込んだ会員拡大

青年会議所という組織は人で作られており人がいるからこそ事業ができる。事業は、個人で行うより組織で行う方が大きな成果が上げられる。だが、40歳で卒業という制度がある以上組織は維持できない。では、組織が持続するにはどうするべきか。まずは、より多くの新たな仲間が必要である。その仲間は組織に新たな息吹を吹き込み、新たな気づきや価値を生み出してくれる。我々は50周年に向けて100名LOMを達成しようという長期ビジョンを掲げた。長期ビジョンの達成に近づくために、毎月1名以上の会員拡大にこだわり、メンバー一人ひとりの拡大意識を高めていく。LOM全体を巻き込み、委員会の垣根を超えた運動が信頼関係を構築することで会員拡大が加速する。そして、誰一人取り残すことのない新たなフォローシステムを打ち出し、メンバー間の横の繋がりをより強固なものとするための交流を行う。また、新たな仲間に異業種の集まる組織だからこそ、ビジネスの機会の提供が新たな仲間に入会のキッカケを与えられると考える。JC×ビジネスの相乗効果がメンバーへの利益の提供にも繋がることは明確である。

メンバーの資質向 上とLOM力向上

私の経験において重要視するのはコミュニーケーションだと考える。JC運動に限らず人生において、人とのコミュニケーションを大切にしてほしい。その中で前向きな考えをもつ人は必ず良い影響を与えてくれる。人との出会いをキッカケに前向きな人財となり、組織や人を良い方向へ導く力を養っていく必要がある。また、青年会議所の経験平均年数が5年未満と短期化が見られ、LOMとしても期首アカデミーの割合は過半数を超えてくる。だからこそ、アカデミーメンバーに特化して学ぶ機会を提供し、LOM力の底上げが必要となる。10年の在籍経験からこの組織は人生最高の学び舎だと思っており、メンバーの一人ひとりが組織の一員として責任を全うするという利他の精神が備わった人財が溢れる下妻青年会議所であってほしい。自分の前向きな想いを伝え、良い方向へ導く力を養うために人前で話す機会を多く創ることが自身の成長に繋がると確信している。

持続可能な社会に向けてのまちづくり

我々の先輩諸氏は42年の歴史において、下妻市、八千代町、旧石下町で様々なまちづくり運動を行ってきた。今一度振り返り、住み暮らすまちの人々が本当に必要と感じ、我々の運動を共有してくれていたかを考えるべきである。まちが求めているものを具現化するために、しっかりとした調査から社会情勢に見合ったことを導き出し、自己完結型の事業に因われない形がまちに良い変化を与える。その形こそが、まちにコミットし運動を展開し続けるLOMのあるべき姿だと思う。また、持続可能な社会へ近づいていくために、単体だけで運動を行うよりも同じ方向性のビジョンを抱く、多数あるまちづくり団体や運動に賛同してくれる企業とパートナーを組み事業を構築することで、住み続けられるまちを地域全体で推し進めることができる。そして、我々の活動エリアに本当に必要とされる持続可能な社会に向けてのまちづくりは、より効果的により早く浸透し、まちの人々の意識を変革するキッカケとなる。

夢を描くことができる青少年育成

新型コロナウイルスの影響を受け、社会の様々な価値観が変化している。大人でさえ先の見えない不安な生活を過ごし、子供達は様々な制限を経験した。そんな子供達は今まで当たり前だったことの有り難さに気づいている。昨年、下妻JC旗争奪学童野球大会は35年間休むことなく続けてきた事業だったが、無念の中止という決断を下した際、LOMの看板事業として今までの歴史の重みは残しつつ、スポーツを楽しみ、他人を尊重する精神を養うことの必要性を感じた。36回目に当たる今年は積み上げてきたパートナーシップをしっかり発揮できる大会構築を目指していく。そして、オセロ大会は継続事業として認知されており、年々児童数が少なくなっている中でも集客できている。挑戦する気持ちとたくましい心の醸成というテーマをもって開催することで、青少年育成事業としての価値をより高めていく。さらに、今の子供達は幼少期からWebに触れる環境が整っているからこそ、自身の枠を超えた人との出会いをキッカケに様々な夢を描く機会を創出する。

JC価値向上のための運営

青年会議所は何をするにも、会議を通じて方針を決め行動へ移していく。新型コロナの影響において集まれない社会情勢の中でもWebアプリケーションをツールとして会議は継続実施してきた。今後も理事会以外の諸会議は必要に応じて用い、時間をより有効に使えるスタイルとし、Withコロナ対応組織形態とする。人が複数集まることで、個から組織へと変化し、一定のルールが必要となる。総務室は、縦横の連絡調整をしながら一つひとつの運動や活動に必要となる意思決定を行うために、会議運営さらには財務運営の統括的な役割をし、より良い事業が構築されることで効果的なJC運動ができる体制とする。そして、まちの人に住み暮らすまちを考えてもらうキッカケとするために、事業をスピーディーに幅広く発信していき、運動をまちへ広く伝播させる。さらに、LOMを紡いできた卒業生が一層の誇りをもてるような卒業例会を設えることで、現役メンバーが運動を継続していく中で高いモチベーションを保てる組織を目指していく。

全てのJC運動を通して

各々の入会志望の理由は違えど、地域にコミットする組織として様々な事業をしながら、奉仕、修練、友情の三信条のもと運動をする我々は異業種の集まりだからこそ、運動の先にビジネスメリットを感じて頂きたい。我々は青年会議所で学ぶ多くのことと、数多くあるチャンスを掴み取ってほしい。我々の運動一つひとつはSDGsそのものであり、各々のキッカケをビジネスと掛け合わせることで、時代にあった考えをもてる人財になり組織としての魅力も向上する。一人で出来ないこともパートナーと連携し、より良き社会を創り出すために、各自治体、諸団体、個人の立場で繋がる社会に向け行動していく。

結びに

一期一会一期一会

~すべてのキッカケをチャンスと感じろ~

私は、下妻に生まれ育ちこのまちが大好きだ。JCに入会してより住み暮らすまちが素晴らしいと思い続ける運動を通し、様々な人との出会いをキッカケにチャンスと捉え価値観や人生観まで大きく変わることができた。変わることはできないのではなく、変化を恐れているか、望んでいないから。前向きに変化できる環境がここには有る。仲間達と共に考えや行動を全て前向きに捉え、新たなことを生み出し未来に向け成長し続ける組織としていく。誰かのために行動できる仲間と繋がり、より伝播すればすべての人に幸せなことだと確信する。私は下妻青年会議所に、仲間達に、先輩達に出会っていなければつまらない人生だったかもしれない。この一期一会に感謝して、2021年度を大好きな仲間達とともに邁進する。