2026年度 理事長所信

一般社団法人 下妻青年会議所
第48代理事長 中山 一美

はじめに

はじめに・・・
 社会人として働きはじめてからの20代は、何となく毎日を過ごすばかりで、深く将来を考えることもなく、気づけば30歳が目前に迫っていました。就職して10年。ふと立ち止まり、「このままでいいのか」「自分はこれから、どんな人生を歩むのだろうか」と、自分自身に問いかけるようになっていました。というのも、周囲の同僚たちが、10年という節目を前に、会社に残るのか、それとも別の道を選ぶのか、人生の選択をし始めていたのです。

そんなとき、ある先輩から「今度、JCの集まりがあるから参加してみないか」と声をかけられました。私はJCを知りませんでしたが、お世話になっている先輩からの誘いということもあり、無下に断る訳にもいかず、参加しました。そこで、私は初めて青年会議所の卒業例会に足を踏み入れました。

国歌斉唱、JCソング、厳粛なセレモニー。最初はどこか異質にすら感じたその空間でしたが、登壇者の堂々たるスピーチ、そして卒業生が涙ながらに語る姿に圧倒され、心を揺さぶられました。「どうして大人がこんなにも感情をあらわにして泣いているのだろう」という驚きと同時に、私は、青年会議所には自分の知らない世界が広がっていて、様々な分野で活躍しているすごい人たちが集まっていると感じていました。しかし当時の私は、その存在がとても遠く感じられ、まさか自分がその一員として活動することになるとは想像もしていませんでした。
その後の懇親会では、厳粛な雰囲気とは打って変わって、仲間同士の熱い交流が繰り広げられていました。真剣に活動する一方で、心から楽しむ姿を見て、「JCって、近寄りがたく感じたけれど、メリハリがはっきりとしていて自分にも何か得られるものがあるかも」と感じました。

そして2021年1月、再び先輩からJCへの声がかかりました。私は、前回の参加から入会するかどうか踏ん切りがついていませんでしたが、自分の人生について漠然とした不安や迷いがあったので、入会して何か行動すれば変われるのではないかと思い、入会を決意しました。そして仕事の予定も都合をつけ、無事入会することができました。

入会後まもなく、3月交流会の実行委員長を任されることになりました。右も左も分からない中、先輩方に丁寧に教えていただき、同期の仲間にも支えられました。また、実行委員長挨拶でのスピーチでは何度も何度も練習して人前で話す挑戦をしました。多くのメンバーが協力してくれたこの交流会で、JCの素晴らしさを初めて体感することになりました。一人では何もできなかった私が「人に頼ること」「感謝すること」「自分が変われること」を体感しました。この経験で、私のJC活動へのスイッチが入りました。

さらに、この交流会が「JC×ビジネス」というテーマだったこともあり、JCでの学びがそのまま仕事にも影響し、5月には独立を決意。自分の人生を前向きに動かす、重要な転機となったのです。もちろん、JCは楽しいことばかりではありません。「修練」の名の通り、苦しいこともありました。2022年度の事務局長候補になった時には、苦手な事務作業に苦戦し、何度も逃げ出したくなりました。そんなとき、向き合って叱ってくれた先輩がいました。30歳となり、真正面から叱られることがなくなっていた私は、その真剣な姿勢に「なぜここまでしてくれるのだろう」と心を打たれました。やがてその感謝の気持ちは、「この人のために頑張りたい」という想いに変わり、さらに「自分自身の成長のためにもやり遂げたい」という燃えるような願望へと育っていったのです。

燃えるような願望に突き動かされ、自発的に行動することで、行動が変わり、考え方が変わり、やがて人生そのものが変わっていく。
 私は青年会議所運動を通じて、このことを身をもって実感しました。この組織で得た経験は、私の人生、そして人格までも大きく変えるものでした。青年会議所は、どんな時代においても、地域に必要とされ、次代を担うリーダーを育て続ける存在であるべきです。
この尊い組織を、未来へとつないでいく。その強い思いを「私が理事長としてメンバーに伝えていきたい」と、私の心を突き動かしています。

積極的な行動を示す会員拡大運動

青年会議所は、40歳までの限られた年齢で構成され、なおかつすべての役職任期が1年に限られています。この独自の仕組みこそが、私たちJCの最大の特性です。だからこそ、常に新しい視点で物事を考え、未来を見据えた行動を起こすことができる。そしてその入れ替わりの早さが、組織を若々しく、かつ柔軟に保つ力となっています。

しかし、その一方で、私はこれまでの会員拡大の現場に課題を感じてきました。それは、「拡大担当者一人に負担が集中しすぎている」という構造です。なぜこうなるのか。それは、多くのメンバーが会員拡大に必要な「技術」を学ぶ機会がなかったからだと考えています。拡大は、気合いや根性だけではできません。そこには「マインド」「ノウハウ」「スキル」が必要です。以前、30名の新入会員を獲得した他LOMのメンバーが、こんな言葉を口にしていました。

「3回会えば、必ず入会させられる」

その言葉には、確かな自信と経験が裏付けとしてありました。私自身も何度も拡大の現場に足を運びましたが、うまくいかないことも多々ありました。今思えば、それは「技術」を知らなかったからです。その時に拡大の技術を学ぶ必要があると実感しました。
成功には理由があり、再現性があります。だからこそ、私たち全員が拡大の技術を学び、実践する組織でありたい。成功者の拡大への取り組み方を素直に取り入れることこそが、成功への最短ルートです。
そのための具体的な取り組みとして、異業種交流会を2ヶ月に1回開催し、多くの候補者と出会う機会を創出していきます。しかし、ただ交流会を開催するだけでは意味がありません。最も重要なのは「候補者を確実に呼ぶ仕組み」をつくり、そしてその場でJCの魅力をしっかりと伝え、入会につなげるストーリーと導線を用意することです。

そして何より、拡大は「行動」で示すものです。口で言うだけでなく、自らが率先して動く。それこそがリーダーの姿勢だと思っています。理事長として、私は必ず先頭に立って行動します。
そして最後に、私が最も大切にしたいこと。それは「燃えるような願望」をもつ、ということです。誰かに言われて動くのではなく、自分の中から湧き上がる「この仲間と、この組織をもっと良くしたい」「もっと多くの人にこの価値を届けたい」という願い。
そして、その願望が芽生えるのは、何よりもまず相手を想い、支え合う強い信頼関係があってこそ実現します。信頼という土台があるからこそ、本音で語り合い、困難にも共に立ち向かうことができる。この信頼関係と燃えるような願望が重なってはじめて、人は本気になれるのだと私は考えます。2026年度、私たちは一丸となって、燃えるような願望をもち、学び、動き、そして仲間を増やす15名の会員拡大を必ず達成します。そうしてこそ、次の時代へJCの灯をつなぐことができると、私は信じています。

積極的に行動を起こせるリーダーの育成

青年会議所とは、地域の社会課題を解決するために行動を起こすリーダーシップを開発することを目的とし、青年に発展と成長の機会を提供し続けている組織です。この理念の通り、JCの最大の価値は「人を育てること」にあります。
私自身、2024年度に日本JCへ出向する機会をいただき、全国から集まった多くの優れたリーダーたちと共に活動する経験をしました。中でも強く感じたのは、本物のリーダーには人を惹きつける「求心力」があります。議長や委員長といった日本JCの先頭に立つ方々は、委員会の方向性を明確に示し、自ら率先して行動を起こすその姿勢で、多くの仲間の心を動かしていました。私はその姿を目の当たりにし、こう思いました。

「下妻JCでも、求心力のあるリーダーを増やしていきたい」と。
そもそも、私が考えるリーダーとは、自分の利益ではなく、「世のため、人のため」に行動できる人です。そしてもう一つ重要なのが、自分自身の「理念」や「人生の目的」、つまりビジョンを明確にもち、その方向性を示せる人であることです。
JCにおけるリーダーシップとは、JCの理念・目的・存在意義と、自分自身の信念が一致している状態です。そのとき人は、自分の言葉で語り、自らの姿勢で示し、周囲に影響を与えることができます。私自身も、JCでのリーダー経験を通して、自分の在り方を深く見つめ直し、目的意識を強くもつようになりました。そしてその成長は、社業やプライベートにおいても確実に活かされています。
だからこそ、目的意識を明確にもち、JCの理念と自分の人生の軸とを重ね合わせることで、誰もが「求心力のあるリーダー」になれると私は信じています。そして、そうしたリーダーが増えれば、下妻青年会議所は必ず、さらなる発展を遂げると確信しています。

未来に希望がもてる青少年育成

私たちが生きるこの社会を、より良い未来へと導いていくのは、次世代を担う若者や子どもたちです。しかし今、彼らを取り巻く環境は大きく変化し、さまざまな課題に直面しています。
内閣府の「子ども・若者白書」によれば、日本の若者は諸外国と比べて「自分には価値がある」と感じる割合が低いという調査結果が出ています。このことは、夢や目標をもちにくくなる要因であり、リーダーとしての可能性が育ちにくい土壌となっているのです。
だからこそ私たちは、「リーダーシップをもった青少年を育てる事業」を立ち上げ、子どもたちが夢を描き、その実現に向けて挑戦する経験を提供します。単なる知識の習得ではなく、「やればできる」「挑戦は楽しい」と感じる体験を重ねることで、自己肯定感・行動力・リーダーシップを育んでいくことが可能です。
さらに、情報化社会が進んだ現代においては、リアルな体験の価値がますます重要になっています。情報は簡単に手に入る時代ですが、「やってみる」「感じる」「挑戦する」といった実体験こそが、青少年の心と行動力を育てます。
そこで私たちは、スポーツや最新のAI技術など多彩なコンテンツに触れられる「キッズ体験事業」も展開します。楽しみながら自分の可能性を試し、未知の世界に触れることで、好奇心と創造力、挑戦する勇気を育てていきます。
私たちの使命は、未来をつくる若者たちに、夢と自信と行動力を届けることです。彼らが社会に希望をもち、自らの力で変えていこうとするその一歩を、私たちが後押ししていきたいのです。

地域に誇れるまちづくり

活動エリアである下妻市・八千代町・常総市(旧石下町)は、近年、急速な少子高齢化と若年層の都市流出により、深刻な人口減少の問題に直面しております。中でも八千代町は、国から「消滅可能性都市」に指定され、まちの存続そのものが危ぶまれる事態となっております。
また、1990年以降、日本の選挙における投票率は全体的に減少傾向にあります。一方で、若者を対象にした意識調査では、約7割が「投票の意志がある」と回答しています。つまり、投票への関心はあるにもかかわらず、実際の行動にはつながっていないのが現実です。その背景には、「自分の一票では社会は変わらない」という、政治的有効性感覚の低さがあると指摘されています。
このような状況を変えるために、私たちは若者自身が社会課題に向き合い、発信し、行動する場を提供することが必要だと考えています。そうした体験を通じて、「自分にも社会を変える力がある」という実感が得られれば、希望をもって政治や社会に参画する若者が増えていくはずです。
このような現実に対し、地域の未来に向けた二つの具体的な事業を行います。一つは、地域資源の再発見と再構築を通じて、人々のつながりとまちの魅力を体感できる「共創型お祭り」を開催します。地域の文化、食、自然、人といった地域の資源を活かし、「見て・聞いて・食べて・感じる」五感で楽しめる体験型事業として開催します。このお祭りは、地域住民、学生、行政が一体となって企画から運営まで担い、単なる一日限りの催しではなく、継続的に交流と定着の循環を生み出す仕組みを目指します。地域の魅力を内外に発信し、観光誘客や関係人口の増加、地域内の経済活性化、そして地域愛の醸成につながることが期待されます。
もう一つは、地域課題を高校生自身の視点から政策として構想し、提言・発表する「下妻JC版政策甲子園」の実施です。私たちのまちに今求められる政策を、地域の高校生が自ら考え、構想し、提言する場として新たに設けるものです。若者が主体となって地域の課題と向き合い、調査・分析・提案を経て発表するこの取り組みは、地域に対する当事者意識を育てるとともに、柔軟で新しい発想による具体的な政策提言を生み出す機会となります。優れた提案については、行政や関係団体と連携し、社会実装の可能性も視野に入れて進めてまいります。
両事業はそれぞれ独立した目的をもちながら、共通して「人口減少」という地域課題の克服に貢献するものであり、地域社会の活力再生、若年層の定住促進、次世代育成、地域資源の価値再発見といった多角的な効果をもたらすと確信しております。

費用対効果を追求した財政運営及びコンプライアンス管理体制の確立

2024年度、私は日本JC規則審査会議に副議長として出向し、組織運営における「コンプライアンス遵守」の重要性を実感する貴重な機会を得ました。
規則審査会議は、全国のJCが行う各種事業に対して、規則が適正に守られているかを厳正に審査する役割を担います。そこで私は7つの委員会を担当し、規則面から各事業を審査する中で、円滑に進行できたケースとそうでないケースの差異から、組織運営に必要な本質的な要素を学ぶことができました。うまく進行した委員会に共通していたのは、上程前の段階から議案を共有し合い、互いに積極的なコミュニケーションを取りながら丁寧に構築していた点です。早期の関与によって規則面のチェックや見直しがスムーズに行われ、審査会議ではほとんど指摘を受けることなく承認に至りました。一方、進行に課題を抱えた委員会においては、情報共有が遅れ、意思疎通も不十分であったため、審査会議で多くの修正が必要となり、限られた時間の中で対応が困難となる場面がありました。この経験から、単に議案の内容や予算の精度だけでなく、「関わり方」そのものが成果を大きく左右するということを強く認識しました。また、審査会議後においても、単なる指摘のみにとどまらず、適正な修正がなされているかどうかを確認し、事業実施において不備がないように伴走し続ける姿勢が求められます。
この出向を通じて得た学びを、今後のLOM活動にも反映してまいります。とりわけ、上程前の段階からの議案確認、予算案との整合性の確認、そして関係者間の密なコミュニケーションによる事業構築といった「事前の準備」と「継続的な対話」が、より良い組織づくりの鍵であります。

LOMを支える組織の要としての盤石な組織運営の確立について

2026年度、私たち下妻青年会議所は、大きな節目を迎えます。創立以来初の日本JC役員である関東地区協議会会長を輩出するという歴史的な挑戦にあたり、私たちが最も力を注ぐべき事業が年2回行われる「総会」です。
総会は単なる議事を承認するための事務的な会議ではありません。これは、LOM全体の熱量と方向性、そして覚悟を示す場であり、私たちの志を可視化する最大の舞台です。私たちはこの総会に、すべてのメンバーが真摯な思いをもって全力で臨むことが不可欠であり、そのためには「全員がそこにいるか」が最も重要な要素です。
現実的には、総会の出席率が課題となっています。どんなに熱い想いをもっていても、会場に人がいなければ、その熱は伝わりません。だからこそ、私たちは出席率100%を絶対目標として掲げ、出席の意義を全員にしっかりと伝え、あらゆる手段を講じてこの目標を達成します。
さらに、総会を単なる「参加する場所」ではなく、各メンバーが「創り手」として関わる場にするため、役割と責任を与えます。この総会は誰かが準備してくれるものではなく、全員が心を一つにしてつくり上げるものです。私たちは、積極的な姿勢でこの総会に臨みます。受け身ではなく、先に動き、仲間を巻き込み、組織の空気を変えていきます。その先にこそ、訪れる人すべてを驚かせ、心を動かす総会が生まれると確信しています。今までにない景色を、誰よりも積極的に、確実に目指していきます。私たちはこの総会にすべてを懸けます。
また、青年会議所の運動は、単に情熱だけで動くものではありません。確かな理念と揺るぎない仕組み、そしてそれを動かし続ける力こそが、その志を実現に導きます。その根幹にあるのが、盤石な組織運営です。
私が2021年に入会し、2022年度に事務局長として初めて理事を務めた経験から、事務局は単なる「裏方」ではないと強く感じています。事務局の任務はLOM全体の「心臓」であり「中枢神経」。会議の設営、議事録の作成、懇親会の準備、諸大会の引率まで、その全てがLOMの血流を滞りなく循環させ、事業を前進させる原動力となります。
さらに、事務局は単なる事務処理では終わりません。私が実際に経験したのは、事務局こそがLOMを牽引する「攻めのエンジン」であるということです。会議の準備ひとつ、段取りひとつで成果が大きく変わります。運営の仕方ひとつでメンバーの士気が劇的に変わり、組織の結果に大きな影響を与えるのです。
もし事務局が受け身であれば、それはただの雑務処理に終わります。しかし、先を見越して動き、組織を先導していく「攻めの運営」こそが、真に機能する組織をつくり出します。1ミリの隙間も許さぬ緻密さと、LOM全体を見通す視座、そして「自分たちがこの組織を動かしている」という誇りに満ちた挑戦が、最終的に組織を強くし、より大きな成果を生み出すのです。
積極的な運営は、事務局にとどまらず、組織全体の運営姿勢にも波及します。事務局の運営が変われば、その姿勢は周囲の空気を変え、メンバーの意識を変え、運動全体の推進力となります。だからこそ、私は声を大にして伝えたい。事務局は決して裏方ではない。青年会議所の鼓動を生み出し、全体を動かす最前線なのだと。
これからの下妻青年会議所には、「守りの運営」ではなく、「攻めの組織運営」が必要です。盤石な組織体制と、そこに込める積極性と覚悟が、私たちを次なる大きな飛躍へと導きます。

JCが好きになるアカデミー育成特別塾の創設

私が入会した2021年度に、初めての試みとして監事塾が設立されました。1月に入会し、3月には初めて行われた交流会で実行委員長を務めることになりました。右も左もわからない状態で挑戦した実行委員長の役は、とても高い壁でしたが、同期の監事塾メンバーと共に事業構築を進め、ベテランの監事から適切な指導を受ける中で、自分の成長を感じることができました。それでもわからない部分は、配属された委員会メンバーに助けてもらいながら、なんとか交流会を開催することができました。この経験を通じて、事業構築のスキルを身に付けただけでなく、事業後の達成感を感じることができました。そして、手伝ってくれたメンバーや参加してくれたメンバーに対する感謝の気持ちが芽生え、「次は自分がそのご恩を返さなければならない」という強い思いが生まれました。これが、私にとって一番の学びでした。
私の経験を通じて確信したのは、入会後の最初のフォローアップが非常に重要だということです。新入会員が最初に経験する学びが、その後の成長に大きな影響を与えます。最初にしっかりとしたJCの基礎を学ぶことができれば、メンバーとしての意識が高まり、JC活動への思い入れが深まります。私たちは新入会員が確実に成長できるよう、しっかりとフォローアップしていきます。そのために、アカデミー育成特別塾において年6回の交流会を設け、フォローアップを強化し、参加者が次のリーダーとして活躍できるよう支援していきます。
これらのアカデミー育成特別塾で行う取り組みは、委員会運営や事業構築のスキルを学び、事業開催を通じて達成感や感謝の気持ちを育みます。また、同期の仲間との絆を深めることができる場となり、共に成長できる環境をつくり出します。この過程で大切なのは、積極的な姿勢をもち、互いに信頼し合いながら、JCの魅力を最大限に感じていくことです。
これら年6回の交流会を通じて、新入会員の皆さんがJCの魅力を理解し、積極的に関わる意欲を高め、次のリーダーとしての責任を自覚できるようにフォローアップしていきます。JC活動はただの運動ではなく、自らの成長を促し、地域に貢献する大きな力となります。新入会員がJCを好きになり、JCの価値を深く実感できるよう支援します。

積極的な国際の機会への参加

私自身は日本JCへの出向を通じて、多くの学びと気づきを得ることができました。
2023年度には、日本JC運動プラットフォーム推進委員会の委員として、スイス・チューリッヒで開催された世界会議に参加し、JCI AWARDの現場に立ち会いました。世界各地で展開される革新的な事業に触れる中で、視野が一気に広がり、異なる価値観や発想に刺激を受けました。国内LOMの事業が受賞されたことや、当時の麻生会頭が会頭賞に選ばれたことは、日本の運動の質の高さと存在感を世界の舞台で実感する出来事でもありました。
さらに2024年度には、ASPACや世界会議にも参加し、特に印象的だったのは「JAPAN NIGHT」の場でした。各地域が誇る文化や魅力を世界に向けて発信するこの機会は、まさに日本の地域力の結晶であり、JCIの国際的な意義を実感できる貴重な瞬間でした。
しかし、こうした経験や場の存在を、まだ多くのメンバーが知らずにいます。せっかく青年会議所の一員として活動しているのに、国際の魅力に触れられていないのは非常にもったいないと感じています。だからこそ、ASPACや世界会議とは何か、参加する意味とは何かを、メンバー一人ひとりが理解し、自分自身の可能性として捉えられるような機会を提供していきたいと考えています。そして何より、その理解を「自分ごと」として捉え、実際に参加し、自らの足で体験し、行動することの大切さを伝えていきます。
行動こそが成長の源です。世界を知るだけで満足するのではなく、自ら飛び込み、自らの可能性を広げていく勇気と行動力をもつ人財を育てていきたい。2026年度は、下妻JCの仲間が一歩踏み出し、世界を体感し、自らの価値を広げる挑戦を後押しする一年にしていきます。

積極的な出向制度の活用によるLOMの発展

下妻JCはこれまで、数多くの出向者を輩出し、全国各地で得た知識や経験を活かして地域社会に貢献してきました。しかし、この先、私たちが更なる成長を遂げ、進化し続けるためには、出向というフィールドでの経験が不可欠です。2026年度には、下妻JCから初めて関東地区協議会会長を輩出するという大きな節目の年を迎えます。この年を「自分もその一員として挑戦する年」と捉え、誰一人として出向を避けてはならないという強い意識をもって挑むべき時が来ています。
私が初めて出向したのは、2022年度の茨城ブロック協議会のブロック大会連絡会議でした。そこで、私はブロック大会記念式典の司会を担当することになりました。最初はその重要さを実感できていませんでしたが、時間が経つにつれて、その役目がどれほど大きな責任を伴うものかを痛感しました。その時、「私はこんな大役を果たせるだろうか」という不安や恐れに襲われましたが、練習を何度も何度も重ねていくうちに、自信がつき結果的に無事に司会をやり遂げました。その瞬間、私は「自分が成長した」と強く感じました。あの瞬間の達成感は、何物にも代えがたいものだったのです。
出向制度を通じて得られる学びは単なる知識や経験の獲得にとどまらず、自分を強く、深く成長させる力をもっています。その成長をLOMに還元することで、私たちの組織はさらに強く、活力をもち続けることができるのです。出向し、得た知識や経験を地域にもち帰り、次世代にその意義を伝えることこそが、私たちの責任であり使命です。下妻JCの発展、そして地域貢献を成し遂げるためには、出向というフィールドでの学びを全員が経験しなければならないのです。
出向がもつ意義は単なる経験ではありません。それは、自分自身の成長と、地域社会への責任を背負う覚悟をもつことです。そして、その覚悟をもつことで、初めて本当のリーダーとなり、地域に貢献することができるのです。出向は誰かがやるべきものではなく、私たち全員が担うべき使命なのです。
2026年度の下妻JCは、私たち一人ひとりが出向を通じて成長し、地域への貢献を深めることが必須です。出向を自分ごととして捉え、全員がその一歩を踏み出すこと。それが私たちの未来を切り拓く最も重要な一歩となります。今こそ、全員がその覚悟をもって出向し、地域の発展に貢献していくべき時です。

結びに

私たちは、ただの団体ではありません。私たちは、地域と社会を動かす力をもった、未来を切り拓く志の組織であり、それが私たちJAYCEEです。
私がJCに入会し、最初に感じたのは、私たちの力がどれほど大きなものか、そしてその力を引き出すために何が必要かということでした。それは、積極的な行動です。どんなに困難な状況でも、自らの手でその道を切り開くためには、最初の一歩を踏み出す勇気が必要です。待っていては何も変わらない。だからこそ、私たち一人ひとりが、未来をつくり上げるために積極的に動き出さなければならないのです。
次に大切なのは、信頼関係です。私たちが力を合わせて大きな変革を成し遂げるためには、お互いに信じ、支え合い、共に歩んでいくことが欠かせません。下妻JCのメンバーがいる中で、それぞれが異なる背景や価値観をもっていますが、私たちは同じ志を胸に、同じ目的に向かって進んでいる仲間です。信頼し合うことで、どんな困難でも乗り越えられると私は確信しています。私たちの結束こそが、最強の力を生むのです。
そして、最後に私たちがもち続けるべき最も強いもの、それは燃えるような願望です。自分の手で未来を変えるという熱い気持ちをもち続けること。私たちがどんなに高い目標を掲げても、熱い想いと決して諦めない心があれば、必ずそれを成し遂げることができます。下妻JCのメンバーが、同じように燃えるような願望を抱いて行動すれば、そのエネルギーは地域全体に波及し、大きな変革を起こすことができるはずです。
私たち一人ひとりの行動が、未来をつくります。今、私たちが行動し、仲間を信じ合い、燃えるような願望をもち、常に前向きに積極的に行動することで、地域を、社会を、そして日本を、さらに良いものに変えていけると私は確信しています。私たちの力は無限大であり、共に進んでいくことで、未来は必ず変わる。今こそ、私たちがその一歩を踏み出す時です。

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信頼で結び、未来に彩を灯す

 

第48代理事長 中山 一美